問: カモメとスズメが仲よく空をとんでいます。おどろいたことに、そのあとからカメがとんでいくではありませんか。カメはどうしてとんでいるのでしょうか。
答: つきあいでとんでいるです。
これはスズメ・ジョークがさかんだった1970年代に日本でつくられたなぞなぞだと思われますが、こういったタイプのナンセンス・ジョークは、アメリカだったら、さしずめエレファント・ジョークとよばれるところでしょう。このなぞんぞでも、カメヲゾウにかえたとしたら、たちまちエレファント・ジョークがひとつできあがります。
ジョークとなぞなぞの区別はつけにくく、エレファント・ジョークというのは、いってみれば、「ナポレオンはなぜ青いズボンつりをしていたか?」「答、ズボンつりをしていないと、ズボンがずりおちてしまうから」といったタイプと同じいじわるなぞなぞなのです。
解答者のまじめな(あたり前の)答を予想してそれをはぐらかし、ああいえばこういうといった意地のわるいなぞかけですが、エレファント・ジョークは従来のなぞなぞをさらにシュールといってもいいほどエスカレータさせた論理の飛躍性と、そのナンセンスの度合をたのしむジョークといってもいいでしょう。
例えばこんな問題です。
「34のゾウがピンクのスウェット・シャツを着こんで、街を歩いてくるのをみたとき、どんなことがわかるでしょう」
欧米では酔っぱらいにはピンクのゾウがみえるとよくいわれています。
ですからこの問題も、何がわかるかときかれて、他とえば自分が酔っぱらっていることがわかるといった平凡な答をすると、残念でした、34とも同じチームだということがわかるのです、といったぐあいに肩すかしをくわされるのです。
エレファント・ジョークはいってみれば、出題者と回答者との間のバトル・オブ・ウィットなのですから、答はひとつとはかぎりません極端なことをいえば、答は何だっていいのです。その答にウィットがありさえすれば。
シュールナギャグというと反射的に連想するのが、ナンセンスのアイエンシュタインとよばれたグルーチョ・マルクスのせりふです。
「けだもの組合」(原題 Animal Crackers)というマルクス兄弟(チク、ゼッポ、ハッポ、グルチョ)の出演した映画の中で、グルチョマルクスが、いいかげんなアフリカ冒険談で、軽交界の連中をけむにまくときの有名なセリフがあります。
One morning I shot the elephant in my pajamas.
これは、パジャマ姿のままで、ゾウを撃ったという意味と、パジャマの中にいたゾウというふたつの意味にかけたしゃれです。
このセリフは、そのあと「どうしてそんなところにゾウが入りこんだのかわかりませんが」とつづくのです。
「けだもの組合」はシュールなギャグの宝庫です。
この映画の中で、グルーチョとチコの兄弟が盗まれた絵をどうやってみつけるか、と議論するシーンのセリフは、とりわけつむじ曲がりのインテリや哲学者に喜ばれてしばしば引用されます。
「もしこの家のb人間がだれも盗んでいないとしたら?」
「じゃ、となりの家へ行く」
「それはいい考えだ。だがとなりに家がなかったら?」
「そのときはもちろん、もう1軒たてなくちゃならん」
マルクス兄弟も顔負けのシュールなエルファントジョークをいくつか紹介しましょう。
問 :ゾウがあなたのベッドに入っていることがどうしてわかるか?
答 :Eのイニシャルのついたパジャマを着ているから。
問 :どうしてゾウはバレエを習おうとしないのか?
答 :彼らのレオタードが身体に合わなくなってしまったから。
問 :ゾウはどうして灰色でしわだらけなのか?
答 :アイロンをかけられないから。
問 :ネズミ色で黄色くて、黄色くてネズミ色で、………ネズミ色で黄色のものは?
答 :ヒナギクをくわえて丘をころがりおちているゾウ。
「南極にいろ動物で、ハナが長く、キバがつき出していて、灰色で耳が大きい動物はなんだ?」
「わからない」
「まいごになったゾウ」
「ゾウはどうして白いサンダルをはくのか?」
「わからない、教えて」
「砂にめりこまないよう用心のため」
問 :ダチョウはどうして砂をつつくのか?
答 :白いサンダルをはいてないゾウをさがすため。
問 :ゾウがスニーカーをはいて、木から木へとびうつるのはなぜでしょうか。
答 :近所めいわくな音をたてないため。
問 :ゾウが垣根にすわるのはどんなとき?
答 :新しい垣根を注文しなくてはならないとき。
問 :ゾウはどうしてヒッチハイクをしないのか?
答 :親指を立てることができないから。
問 :ゾウはどこでみつかりますか?
答 :ゾウのような大きいな動物は、めったに失くすことはありません。
問 :54のゾウをどうやってフォルクスワーゲンにつめこむことができるでしょう。
答 :24は前の座席に、34は後の座席に。
問 :それでは、44のカンガルーヲフォルクワーゲンにつめこむには?
答 :ゾウを出せばよろしい。
問 :ゾウはどうしてラッパを吹くのか?
答 :バイオリンのひき方がわからないから。
問 :ゾウの石像をつくるには?
答 :石をあつめてきて、ゾウに似てないのを全部すててしまいます。
問 :ゾウはエンパイヤ・スケートビルより高くとびあがることができるでしょうか。
答 :できます。エンパイヤ・セケートビルはとびあがれないから。
*ある男が町の万中で、指を鳴らしています。
「何してるんだ?」
「ゾウを追っぱらってるんだよ」
「ゾウなんてどこにもいないじゃないか」
「だろう? 効き目はこのりさ」
ジョークのたのしみ
著者 :松 田 道 弘
1985年7月30日 初版第6刷発行
walah ga ngerti sob. hehehehe
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